nikkansports webより無断転載
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失言森元首相、東京五輪この人で大丈夫?
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東京五輪・パラリンピック組織委員会会長に就任した森喜朗元首相(76)が20日、ソチ五輪・フィギュアスケート女子ショートプログラム(SP)で16位だった浅田真央について「あの子、大事なときには必ず転ぶ。見事にひっくり返った」と発言した。団体戦での転倒が影響したと持論を示す中での発言だが、選手への配慮に欠ける失言として批判が出そうだ。首相時代の「失言癖」が、再び出てきた。「東京五輪の顔」の役目を果たせるのか。
森氏は、福岡市のホテルで「2020年東京五輪と安倍外交」をテーマに講演した際、浅田の転倒に言及。「頑張ってくれと見ていたが、真央ちゃん、見事にひっくり返りました。あの子は、大事なときには必ず転ぶ」と発言した。
背景に、フィギュア団体戦出場が影響したとして、「日本は団体戦に出なければよかった」と指摘。「浅田さんが出れば、3回転半をできる女性はいないから、成功すれば3位になれるかもとの淡い気持ちで出した。それで見事にひっくり返った」と述べた。
さらに「(団体戦で)転んだ心の傷が残っているから(SPで)転んではいけないとの気持ちが強く出たのだろう」「その傷が残っていたとすれば、ものすごくかわいそうな話。負けると分かっている団体戦に浅田さんを出し、恥をかかせることはなかった」と述べた。
アイスダンスのキャシー&クリス・リード組にも触れ、「米国に住んでいる。(米国代表として)五輪に出る実力がなかったから、日本の選手団として出した」などと語った。
森氏は、各国政財界やスポーツ界との豊富な人脈を見込まれ、会長に就任。財界の重鎮らに打診を断られた政府がすがった人物だ。ロシアのプーチン大統領と関係が深く、ソチ五輪開会式に出席。浅田が転倒した団体戦SPも、安倍晋三首相らと観戦した。「舞台裏」を知るだけに本音が出たとみられるが、選手の心境を顧みない内容。「会長としてあまりに無責任」(野党関係者)と、政界でも批判が広がっている。
森氏はソチ滞在中の会見でも、英語力不足を外国人記者に指摘され、第2次大戦を持ち出して「英語は『敵国語』だった」と発言。「昔はボール、ストライクも『よし』『だめ』と日本語を使わされた」と説明したが、国際舞台という場をわきまえていないと、批判されたばかりだ。
首相時代、「神の国」発言などの失言で、支持率は1桁に落ち込んだ。会長就任に当たり「オールジャパン」を強調した森氏だが、逆風が強まりそうだ。
◆森喜朗(もり・よしろう)1937年(昭12)7月14日、石川県生まれ。高校までラグビー選手。早大卒。産経新聞社、議員秘書を経て69年衆院選で初当選。死去した小渕元首相の後継として、00~01年に首相。衆院議員を14期務め、12年に国会議員から引退。
[2014年2月21日9時9分 紙面から]
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東京五輪・パラリンピック組織委員会会長に就任した森喜朗元首相(76)が20日、ソチ五輪・フィギュアスケート女子ショートプログラム(SP)で16位だった浅田真央について「あの子、大事なときには必ず転ぶ。見事にひっくり返った」と発言した。団体戦での転倒が影響したと持論を示す中での発言だが、選手への配慮に欠ける失言として批判が出そうだ。首相時代の「失言癖」が、再び出てきた。「東京五輪の顔」の役目を果たせるのか。
森氏は、福岡市のホテルで「2020年東京五輪と安倍外交」をテーマに講演した際、浅田の転倒に言及。「頑張ってくれと見ていたが、真央ちゃん、見事にひっくり返りました。あの子は、大事なときには必ず転ぶ」と発言した。
背景に、フィギュア団体戦出場が影響したとして、「日本は団体戦に出なければよかった」と指摘。「浅田さんが出れば、3回転半をできる女性はいないから、成功すれば3位になれるかもとの淡い気持ちで出した。それで見事にひっくり返った」と述べた。
さらに「(団体戦で)転んだ心の傷が残っているから(SPで)転んではいけないとの気持ちが強く出たのだろう」「その傷が残っていたとすれば、ものすごくかわいそうな話。負けると分かっている団体戦に浅田さんを出し、恥をかかせることはなかった」と述べた。
アイスダンスのキャシー&クリス・リード組にも触れ、「米国に住んでいる。(米国代表として)五輪に出る実力がなかったから、日本の選手団として出した」などと語った。
森氏は、各国政財界やスポーツ界との豊富な人脈を見込まれ、会長に就任。財界の重鎮らに打診を断られた政府がすがった人物だ。ロシアのプーチン大統領と関係が深く、ソチ五輪開会式に出席。浅田が転倒した団体戦SPも、安倍晋三首相らと観戦した。「舞台裏」を知るだけに本音が出たとみられるが、選手の心境を顧みない内容。「会長としてあまりに無責任」(野党関係者)と、政界でも批判が広がっている。
森氏はソチ滞在中の会見でも、英語力不足を外国人記者に指摘され、第2次大戦を持ち出して「英語は『敵国語』だった」と発言。「昔はボール、ストライクも『よし』『だめ』と日本語を使わされた」と説明したが、国際舞台という場をわきまえていないと、批判されたばかりだ。
首相時代、「神の国」発言などの失言で、支持率は1桁に落ち込んだ。会長就任に当たり「オールジャパン」を強調した森氏だが、逆風が強まりそうだ。
◆森喜朗(もり・よしろう)1937年(昭12)7月14日、石川県生まれ。高校までラグビー選手。早大卒。産経新聞社、議員秘書を経て69年衆院選で初当選。死去した小渕元首相の後継として、00~01年に首相。衆院議員を14期務め、12年に国会議員から引退。
[2014年2月21日9時9分 紙面から]