「東日本大震災:岩板境界、滑りやすかった 探査船が採取
毎日新聞 2013年12月06日 04時00分
東日本大震災の巨大地震を引き起こした東北沖の海底下にあるプレート(岩板)境界は、滑りやすい状態だったことが分かったと海洋研究開発機構などの研究チームが発表した。岩板境界の断層を採取して分析した。6日付の米科学誌サイエンスに掲載される。
チームは震源となった宮城県沖約220キロの日本海溝付近を、地球深部探査船「ちきゅう」で調査。水深約6900メートル、海底下約850メートルまで掘削し、断層を採取するとともに、縦穴に数珠つなぎで55個の温度計を設置。昨年7月~今年4月に温度を計測して地震発生時の摩擦熱を予測し、断層がどのくらい滑りやすかったかを算出した。
その結果、断層は約8割が水を通しにくく滑りやすい粘土でできていた。また厚さは5メートル未満と薄くて動きやすく、摩擦熱の解析結果からも断層が非常に滑りやすい状態だったことが分かった。
同機構の木下正高・高知コア研究所長(地球物理学)は「巨大地震や津波が起こる要因は、断層の地質条件にあることが分かった。南海トラフなどの断層も詳しく地質を調査すれば、地震予測に役立つ可能性がある」と話す。【斎藤有香】」
毎日新聞 2013年12月06日 04時00分
東日本大震災の巨大地震を引き起こした東北沖の海底下にあるプレート(岩板)境界は、滑りやすい状態だったことが分かったと海洋研究開発機構などの研究チームが発表した。岩板境界の断層を採取して分析した。6日付の米科学誌サイエンスに掲載される。
チームは震源となった宮城県沖約220キロの日本海溝付近を、地球深部探査船「ちきゅう」で調査。水深約6900メートル、海底下約850メートルまで掘削し、断層を採取するとともに、縦穴に数珠つなぎで55個の温度計を設置。昨年7月~今年4月に温度を計測して地震発生時の摩擦熱を予測し、断層がどのくらい滑りやすかったかを算出した。
その結果、断層は約8割が水を通しにくく滑りやすい粘土でできていた。また厚さは5メートル未満と薄くて動きやすく、摩擦熱の解析結果からも断層が非常に滑りやすい状態だったことが分かった。
同機構の木下正高・高知コア研究所長(地球物理学)は「巨大地震や津波が起こる要因は、断層の地質条件にあることが分かった。南海トラフなどの断層も詳しく地質を調査すれば、地震予測に役立つ可能性がある」と話す。【斎藤有香】」