カテゴリ: FEM検証

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一般の地すべりのように、すべり面の形状が一応既知の場合には、すべり面をJointとして扱うことができます。
”地すべりVol43No2、July2006”から、石井他「地下水位の上昇による再滑動型地すべりのFEM解析モデルと杭のFEM再現解析」にある事例を使ってみました。

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今回は、北海道の樽前山の弱熔結凝灰岩がなす奇景で有名な苔の洞門で2001年に発生した岩盤崩落の例です。
北海道立地質研究所の石丸他(2006)「苔の洞門2001年岩盤崩壊の再検討-有限要素法(FEM)解析を用いて」などに公表されている事例です。図はスキャン士やものから起こしたもので正確ではないですが、だいたい同じ形といったところ。パラメーターは論文と同じ値です。当然結果は論文のものと大局は同じです。
図1のオーバーハングの頭部が崩落し、崩壊後の岩盤表面の観察の結果、背面に古くから縦亀裂が存在し、基底部には崩壊時に流れ目の引っ張り亀裂が生じたようです。
背面の縦亀裂がさし目気味の場合には転倒崩壊し、流れ目気味のすべり崩壊するようすが読みとれます。
まあ、解析しなくても予想がつくことですが、絵になって見れるところFEMのいいところですね。
そして、直感的に判断しにくいケースで本領を発揮することは言うまでもありません。


1.背面の縦亀裂がさし目気味のケースのモデル(オレンジの線が縦亀裂)
2.背面の縦亀裂がさし目気味のケースの解析結果全体図-(色分けコンターは最大主応力、赤線は主応力線)
3.図2の拡大-オーバーハング基部の岩盤表面には最大の圧縮応力が、背面縦亀裂の端部付近には引っ張り応力が働いている(色分けコンターは最大主応力、赤線は主応力線、灰色は変位)
4.図2の拡大-オーバーハング基部の岩盤表面は収縮し、背面縦亀裂の端部付近は膨張している(色分けコンターは体積歪)
5.図2の拡大-オーバーハング基部の岩盤表面にのみせん断歪がやや大きい箇所が見られ、ここを基点にして回転するような動きに対応する力が働いていることが読み取れる(色分けコンターは最大せん断歪)

6.背面の縦亀裂が流れ目気味のケースのモデル(オレンジの線が縦亀裂)
7.面の縦亀裂が流れ目気味ケースの解析結果全体図-(色分けコンターは最大主応力、赤線は主応力線)
8.図7の拡大-オーバーハング基部の岩盤表面から背後の縦亀裂の端部にかけて流れ目の応力集中ゾーンが見られる(色分けコンターは最大主応力、赤線は主応力線)
9.図7の拡大-図8の応力集中ゾーンに対応するように体積の収縮ゾーンが見られる、縦亀裂より奥には膨張ゾーンが見られる(色分けコンターは体積歪)
10.図7の拡大-オーバーハング基部から背面の縦亀裂端部にかけて明瞭な流れ目せん断ゾーンが認められ、すべり破壊にいたるであろうことがわかる(色分けコンターは最大せん断歪)

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日本地すべり学会誌Vol.41,No.2(160)のSuzuki他「Characteristics of landslide and failure with their Countermeasures in Kanmon-group Slopes,Yamaguchi Prefecture,Western Japan」にあるTakibenakamura Southの例題で検証
1.最大変位量(m)-安全率図
2.解析結果図:段彩図は最大せん断歪
文献では極限法による安全率Fs=0.96とありますが、今回の計算では0.71にしかならん。スキャンした小さな図からCAD化した断面図をつかっているからか...。

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弾塑性FEMを用いた斜面解析法にせん断強度低減法SSRM(Shear strength reduction method)とかSSRと呼ばれている解析法があります。
強度定数c,φを増減させて繰り返し計算を行い、塑性化し変形する様子を表現できます。
せん断ひずみの集中する位置は、極限法の円弧すべり解析の結果とも良く整合することが知られています。同時に最大変位量の急増する直前を安全率Fs=1とみなすことで安全率を推定することができ、こちらも極限法を整合することが知られています。
手持ちのPhase2はVer.5なので、の作業には一手間かかります。
作業に誤りがないか検証します。
まずは、開発元のRocscience社が提供するexample1から。
資料によると、極限法による安全率はFs=0.425とのこと、今回の検証ではFs=0.42、OKみたいです。
1.最大変位量(m)-安全率図
2.解析結果図:段彩図は最大せん断歪、×はせん断降伏要素、○は引張降伏要素

ー追伸ー
他に5例ほどやってみましたが、全部極限法の安全率の整合がとれました(あたりまえですが)。

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