カテゴリ: 斜面崩壊

崩壊に関しては、地形は原因ではなく結果です。だから予測はできません。
会社の事業継続(1)会社とはイマジネーションの産物
http://blog.livedoor.jp/ohta_geo/archives/cat_50046674.html

の2019年1月7日及び11日の記事についてです。

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7月21日の豪雨で山口県の防府市で豪雨による大規模な土砂災害が発生しました。
なかでも特別養護老人ホーム「ライフケア高砂」は土石流の直撃を受けて多数の犠牲者行方不明者がでました。
翌朝の報道で、建物内とその周囲を川そのもの水量の水が流れていたのが印象的でした。
報道の映像では川と老人ホームの位置関係が良く変わらなかったのですが(山に向かって建物の左手に埋まりかけた谷止めが映っていたように見えましたが)、国際航業のHPに空中写真や災害箇所の判読図が載っています。
http://www.kkc.co.jp/social/disaster/200907_yamaguchi/index.html
それによれば、やはり老人ホーム裏にある沢が土石流の発生地ですが、流域の山腹には目立った斜面崩壊は生じていません。沢底の堆積物が土砂の発生源のようです。
図の中で赤で囲った部分が、国際航業の図面から転記した今回の土石流範囲です。
緑で囲った部分は、この沢による過去の土石流の繰り返しで形成されたと思われる土石流堆です。この周囲の緩斜面も全て新旧の土石流堆と思われます。
谷間を出てからの沢は等高線ではっきり読み取れる流路がなく、土石流発生のたびに流路が変わったことが伺われます。
今回の土石流によっても流路が少し南側変わってしまったようです。
国際航業の図面を見ると、土石流はいたるところで発生しており、なおかつ発生した沢とそうでない沢にはっきりした地形上の差異はないように見えます。
むづかしいです。

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最近地すべりが動いて住民が困っていると話題になっている、山形県の七五三掛地区の地すべり地を地図で眺めていたら、近くに学生時代に行った朝日連峰が。そこにある大鳥池 http://maps.google.co.jp/maps?f=q&source=s_q&hl=ja&geocode=&q=%E5%A4%A7%E9%B3%A5%E6%B1%A0&sll=36.5626,136.362305&sspn=51.639722,113.818359&ie=UTF8&ll=38.359965,139.720001&spn=0.801163,1.778412&z=10 を見ていたら、大規模な地すべりよる閉塞湖だと知りました。
大鳥池の下流左岸には頭部にはっきりした滑落崖と池(三角池)なんかもある、幅1.4Km奥行き0.7Kmくらいある地すべり地形があって、末端部を赤川が削っています。2つのブロックがあるように見えますが、上流側のものは河川で削られて輪郭やすべった方向がよくわかりません。七つ滝の右岸側にもややすり鉢状になった地形があり地すべり状の斜面凹凸もあるのでこちら側からもかなり大きな地すべりが動いたのかもしれません。
もうひとつ右岸でおもしろいのは、茶畑山から三角峰にかけてけっこう痩せ尾根でそんなに水の涵養もなさそうなのに池が点々としていることです。マスムーブメントの兆候を現すような段差も見えます。
地質は全域花崗閃緑岩です。

1.平面図
2.北側からの鳥瞰図
3.書き込み入り平面図

データはウォッちず、図化はKasimir3D使用

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日本地すべり学会2004年発行の「地すべり-地形地質的認識と用語」はよい本だと思いますが、複数執筆者になるものなので重複が多くて読みづらい部分もあります。
特に”第3章地すべり構造”が書きすぎなんじゃないかと思います。
第3章には上の表が掲載されているんですが、○○構造を赤字で書き込んだような名前にした方がわかりやすくて、他の章に素直に振り分けることができたと思います。

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古い資料の中に見つけました。
兆候が現れた時期と崩壊直後の写真です。
地山は新第三系の泥岩です。
1.崩壊前、兆候の現れた時期の法面全景
2.崩壊直後の法面全景
3.崩壊前の崩壊部分
4.崩壊部分

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先日資料を探していたら、奥尻島沖地震(北海道南西沖地震)時に現地視察に連れて行ってもらったときの資料が出てきました。
白糸トンネルはその後、1997年に大規模な岩盤崩壊を起こしましたが、奥尻沖地震じにも、隣接箇所で比較的小規模な岩盤崩壊が起きていて、第二白糸トンネル終点側の坑口付近の巻き出しを潰してました。そのときのスケッチが出てきました。一緒に写真も撮ったのですが、そちらの方はどこへ行ったやら見当たりません。短時間の見学時間にまじめにスケッチしているので我ながら関心。
大規模な崩壊を生じたのは、スケッチ右側の岩塔状の崖の右側の部分。

1.現白糸トンネル終点側から岩盤崩壊跡(2003年12月)
2.平面図
3.奥尻沖地震時の岩盤崩壊による被災状況のスケッチ(1993年7月)

↓国際航業蠅了駑
http://www.hiroi.iii.u-tokyo.ac.jp/index-genzai_no_sigoto-doro-toyohama-dainiairaito-horaku-chosa.pdf

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大雪山の十勝側の景勝地の1つ、糠平湖手前の国道沿いの山体崩壊です。
昨年ある調査中に1~3mもある転石がごろごろしている所がつづき、遠望ずると、山体崩壊らしき地形が。2万5千分の1の地図で確認すると、ありました、明瞭な崩壊地形が。
規模がさほど大きくないので、50mメッシュの標高データをつかった鳥瞰図では地形の特徴がはっきり出ていません。
廃線になったJR線がこの山腹の遷急線付近を走っています。JRの擁壁は丁寧な仕事ぶりで、建設から何十年も経っているのにひび割れ1つないところが多く、同行した人と一緒に感嘆しました、「いい仕事してるねえ~」。


1.立体写真
2.鳥瞰図
3.平面図
4.崩壊地内の転石(2006年10月)
5.崩壊地内の転石(2006年10月)
6.北側から見た山体崩壊全景(2006年10月)

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これも、北海道の調査屋ならみんな知っている地形です。
2年前現場の帰りに、崩壊地内にある展望台に立ち寄ってみましたが、累々としたm級の転石と絶壁をなす滑落崖は迫力があり、日本海の眺望が綺麗なところでした。
落石対策のワイヤーロープ掛け工はアンカーを取るのが大変そう。
鳥瞰図作成にはKasimir3Dを、立体写真作成にはAnaglyph Makerを使用しています。
立体写真は子供のころに遊んだあれです、右目に青、左目に赤のセロハン紙を通して見ると立体的に見えます。


1.鳥瞰図
2.鳥瞰地質図
3.南寄りにある展望台から雄冬の集落を見下ろす(2004年5月)
4.南側の側崖(2004年5月)
5.累々と積重なるm級の転石(2004年5月)
6.崩壊地と北側の側崖(2004年5月)
7.展望台から見た滑落崖(2004年5月)
8.立体写真
9.平面図

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何年か前に、松前町の斜面を歩く機会がありました。
このあたりは、北海道で最も古いらしい、古い時代のチャートや粘板岩などが分布する地域で、尾根はなだらかですが山腹斜面は急で、容易には歩けません。頼まれて歩いた沢も、沢の出口からものも数100mザイル等の補助が必要な傾斜となり、調査終了でした。
本流の様子を見に行くと、直径2~5mもあるような転石がごろごろしており、地図で確認すると、山体崩壊がありました。
山体崩壊の上流には、不自然な水系と低地があり、どうやら、崩壊による河道の閉塞もからんだかもしれない、河川争奪があった気配。
この低地は、周囲がチャート等の硬い岩盤からなるのに対し、新第三系の溶岩や火砕岩類からなる模様。低地の北側には地すべり様の地形も見られるので、不自然な地形は、地質の違いも反映しているように思います。
1.低地から見た山体崩壊(滑落崖と頭部、2005年10月)
2.河原の転石状況(2005年10月)
3.立体写真
4.地質図
5.鳥瞰図
6.平面図

なお、鳥瞰図の作成には、他の投稿も含めKasimir3Dを使用しています。

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これは北海道の調査屋さんならみな知っている地形。
地質図でも表現されてますし。
大きすぎて、海岸に立っても、局部的な露頭も見ても、存在は思いもよりません。
地盤は中新統の水冷破砕溶岩と火山円礫岩からなっています。

1.鳥瞰図
2.立体写真
3.北側の側崖(2004年3月)
4.崩壊地中ほどのノット川(2004年3月)
5.崩壊地の岩盤_水冷破砕溶岩(2004年3月)
6.平面図
7.鳥瞰地質図

-追伸-
19年度の日本地すべり学界北海道支部の研究発表会予稿集を見ていたら、崩壊地の海岸にウカウプという地名があって、アイヌ語で「岩石が重畳している所」という意味だそうです。

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