自営の地質調査技術者 渡邊良夫 yupauta2013@gmail.com http://www.egeo-jp.com/ https://www.facebook.com/yoshio.watanabe.1272 https://www.youtube.com/channel/UCl8RTBofvJNU7NyZmR2zwAw

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ちょっと機会があって、斜面安定問題での計画安全率1.2はどうやって決められたのか書かれているかと思い、雑誌「地すべりVol.45,No.6、2009年1月」の講座「安全率を考える」の座談会を読みまた。
最終回の座談会で高速道路技術センターの奥園さんが面白いことを言われていました。

奥園さんによると、過去のすべらせた事例では、安全率5%向上でだいたい沈静化し、10%向上でだいたいとまる。10%前後で復旧完了しているところで10%未満のところはその後亀裂が入ったりしたところがある。20%向上で復旧したところはこわれていない。
Fs=1.2はいい線いってると。
ただ、奥園さん(かなりご高齢だと思いますが)でもFs=1.2を誰が決めたか知らないとおっしゃってます。
奥園さんは、実務寄りで対策工との絡みについて話をされていますが、大学の先生は対策工には興味がないので、禅問答みたいで話がかみ合っていない座談会に思えました。

話はそれますが、表示した図は奥園(1983)「切取斜面の設計から維持管理まで」の20ページに示されている、掘削前と後の弾性波速度の比較図です。
そしてこの図について、次のように述べています。(以下抜粋)
「まずいえることは、いかにばらつきが大きいかということである。これは弾性波探査そのものの精度がこの程度のものであるということを物語っている。当初の予測では、同図のVpaとVpbを比較すれば速度の低い領域ではVpa=Vpbであるが、速い速度部分ではVpa>Vpbとなるのではないかと思われた。しかし、図のばらつきの方が大きく、このような問題は、ここでは無視せざるをえないと思われる。」
苦労してデータを集めても、結果がだめなら変に変にいじくり回さずあっさり切り捨てる、この姿勢が好きです。

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渡邊良夫_Yoshio Watanabe

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