2008年10月

火山岩と火山砕屑岩について

火山岩(volcanic rock)と火山砕屑岩(pyroclastic rock)については、特にフィールドでの産状は大変わかりづらく混乱しやすいので、自分のために整理してみた。
火山岩とはドロドロに熔けた熔岩が固結してできた岩石である。
一方、火山砕屑岩とは火山砕屑物が固結してできた岩石である。ここで火山砕屑物とは火山の噴火によって飛散した物質の総称で、起源としては、新しく地表に上がってきたドロドロに熔けた熔岩が飛び散った物質、噴火以前からあった火山の一部が吹き飛ばされた物質があり、形態的には岩塊、礫、火山灰、火山弾、軽石などがある。
分類は目的によって、形態、成因に基づくものなどいろいろあるが、注意深く読めば理解できるが、フィールドではこれらの区分が困難なことがむしろ普通である。
この理由は、
第一に、岩石の物質の生成と移動、堆積、固結が、他の岩石とは異なり、地質的スケールでは一瞬にして起こってしまうこと。
第二に、火山岩である(冷え固まった)熔岩と、堆積岩に分類される火山砕屑岩が実は同時に同じ場所(厳密には隣接して)形成される(同時異相)こと。
にあると考えられる。
つまり、液体のマグマが、噴出、爆発により、一気に移動し、熔岩流、火山灰となって堆積し、固化する過程が、堆積岩や変成岩とは比較にならないほど急激に行われることから、火山砕屑岩の方は火山岩とも堆積岩とも取れる形成過程を経ており、火山岩か堆積岩かにこだわること自体、あまり意味のないことある(実際に凝灰岩は本によって堆積岩に分類されていたり、火成岩に分類されていたりまちまちである)。
生きている火山の噴火によって、ドロドロに溶けた熔岩や火山砕屑物から、火山岩と火山砕屑岩ができる様子が目の当たりにできることものであるから、当然ながら研究者は両者を同時に研究対象とするし、教科書では一括して扱われる。

特に水中火山岩類については特にむずかしく、山岸による水中火山岩類の記述によれば、
水中火山岩(subaqueous volcanic rocks)-水中熔岩(subaqueous lave)
-給源岩脈(feeder dyke)
        -水中火山性砕屑岩(subaqueous volcaniclastic rocks)
(ここで、すでに火山岩類についての分類に、火山性砕屑岩という堆積岩にも分類される岩石名が使用されている。)
なかでも水中火山性砕屑岩(subaqueous volcaniclastic rocks)は
水中火山性砕屑岩(subaqueous volcaniclastic rocks)
-ハイハロクラスタイト(自破砕熔岩,塊状ハイアロクラスタイト,in-situ brecciaとも呼ばれる)
     (熔岩や岩脈が水冷による脆性破壊により形成されたもの)
-火砕岩(狭義)(爆発的噴火により火口から放出された火山砕屑物が堆積固結したもの)
    -火山性二次堆積岩(volcanic breccia, volcanic conglomerateがある)
(地形営力により本質火砕物が二次的に運搬堆積固結したもの)

ここで、水中火山性砕屑岩(subaqueous volcaniclastic rocks)とは、成因や起源とは関係なく火山性物質からなる堆積岩のことをさしている(水中がつかない火山性砕屑岩も同様)。一方、火砕岩とは実は火山砕屑岩の略称で、火口から噴出した火山砕屑物が直接堆積固結した岩石である。ここでも水中火山性砕屑岩の分類下の細分類で混乱を招くような用語を用いているが、このことがまさに露頭スケールでこれらを区分することのむずかしさを現している。
この中で、特にハイアロクラスタイトは、火山岩と火山砕屑岩に大分類した時に、火山岩の方へ分類した「熔岩」なる用語が「自破砕熔岩」なる用語として用いられている。
さらに、火山性二次堆積岩について、ハイアロクラスタイトが斜面を流動したときに異質物を取り込み、混沌とした岩相を示す堆積岩を呼ぶ場合があり、火砕岩とは漸移的であり、両者の区分が困難なため、量比で便宜的に区分することが多い、述べており、フィールドでは水中火山性砕屑岩内の区分もむずかしいことを認めている。
山岸は記述でわざわざ、水中火山性砕屑岩の識別方法について一項を設けていることにも、フィールドでの認定のむずかしさを現している。
さらに、
ハイアロクラスタイトとは、熔岩や岩脈が水冷による脆性破壊により形成されたものである、との説明にあるとおり、まさに流動し固まりつつある熔岩のうちバラバラに砕けたものであり、本質的には熔岩の一部といえるものである。これを、火山砕屑岩に分類しているので専門化でもなければ混乱が生ずるのも当然と言える。
しかし、すでに述べてきたように、この分類が誤りということではなく、自然界は人の都合で簡単に割り切れるものではないことを物語っている、と強調したい。

参考資料
久野久(1954)「火山及び火山岩」
地学団体研究会(2001)「新版地質調査法」
地学団体研究会(1970)「地学事典」など

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今週はじめは調査で、積丹から小樽周辺をちょこちょこ歩いていました。
その後は自宅でお仕事中。とりとめのない写真ですが、
1.積丹町の安山岩転石ごろごろの海岸、その地名も”転多”
2.ミズナラとカシワがなかよく(茶色い方がカシワ)(転多)
3.立派な枝ぶりのシナノキ(古平町小泊)
4.若い頃に折れ曲がったのに耐え、横に伸びたイタヤカエデ(古平町小泊)
5.いまいちですが、毛無山から朝里付近の紅葉
6.ついでに毛無山の展望台から小樽市
7.歩いた崖の上から古平町美国海岸

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層雲峡温泉の向かい側の山頂は、綺麗な柱状節理の熔結凝灰岩の崖と違い、ごつごつ、ぎざぎざした感じの崖となっています。この崖は、熔結凝灰岩(3万年前)より少し古い朝陽山集塊岩(200万年前くらい)からできているためです。
層雲峡峡谷を挟んで大雪山の北側には、ニセイカウシュッペ岳という山があり、これを創った熔岩と同時代の噴出物で、噴出源から遠いため、長い距離を流れたり、転がったり、飛んできたりして、ごちゃごちゃな感じの堆積物です。
昔、集塊岩と呼ばれていた岩石には、
 *自破砕熔岩(熔岩が冷え固まりつつもまだ流動することで自ら砕ける)と
 *火山角礫岩などの火山砕屑岩(噴火口から飛んできて堆積したもの)
の両方が含まれているといいます。このようなあいまいさから、集塊岩という用語は最近あまり使われません。実は両者の区別はなかなかむつかしくて(実際の露頭では風化したり変質したりしているし)、ここに紹介する岩石は、ほとんど自破砕熔岩かと私は思いますが自信はありません。ある程度広い範囲を見渡して初めて判定できることかもしれません。

1.層雲峡温泉向かいの朝陽山集塊岩のつくる崖
2.熔岩っといった印象の塊状部分と、角礫状部分の見られる崖から落ちてきた転石(4~5m四方もある)
3.2の塊状部分
4.2に角礫状部分
5.同様の別の転石(左下が塊状、右上が角礫状)
6.角礫状部分の拡大(この部分は類質礫が多く入っているようだ)

以下久野先生の著書によれば、
*集塊岩:純粋に集塊岩と呼べるものは少なく、昔そう呼ばれていたものはたいてい、本質火山角礫岩か     本質凝灰角礫岩の礫ゴロゴロの火山砕屑岩は火山角礫岩、凝灰角礫岩とのこと
     凝灰集塊岩:凝灰岩の基質に火山岩弾が散在するもの(agglomerate)
     岩さい集塊岩:基質が(岩さい)スコリアからなるもの(agglutinate)
     (ほかに熔岩餅とかが入ったものにも名前がありますが省略)
*本質礫:噴火を生じたマグマに由来する礫(上記の本質はこの意味)
*類質礫:すでにあった山体が噴火で吹き飛ばされて混ざった礫

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こちらは大函のうちでも熔結度の低いやわらかい部分のもの
1.礫や軽石がたくさん入っている
2.こちらは特にやわらかく、ハンマーなんかで簡単に削れる
3.まるっこい礫もたくさん入ってボソボソ
4.熔結度が低いためやわらかくてえぐれている崖、支笏湖の苔の洞門みたいな岩肌
http://www.city.chitose.hokkaido.jp/index.cfm/1,4458,140,140,html

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層雲峡熔結凝灰岩がつくる崖の写真は載せましたが、今度は近づいてみた表情を(いずれも転石ですが)。
1.礫を多く含む、観音岩覆道付近のもの
2.1の拡大
3.熔結レンズがたくさん見られる屏風岩覆道付近のもの
4.3の拡大

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層雲峡温泉崖の向かい側に小さいけれども気持ちの良い公園があります。層雲峡をたたえ、名づけ親である明治の文人、大町桂月の碑や、山小屋風の休憩所もあり一息いれるのに良いところです。また、層雲峡で見られる代表的な広葉樹の大木を見ることができます。
1.ハリギリ
2.イタヤカエデ
3.カツラ
4.きつつきの穴があいているカツラ
5.ヤマナラシ
6.公園全景
7.大町桂月の碑

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1.銀河トンネル付近、ドロノキの大木
2.銀河トンネル付近
3.銀河の滝
4.銀河の滝拡大
5.流星の滝
6.ヤマモミジ、層雲峡には少ない

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昨日今日と層雲峡に行ってきました、仕事ですが。
紅葉が盛りでした、今年の紅葉はさえないとのうわさで、確かにいまひとつ鮮やかでなく、茶色になってしまった葉が多いような気がしますが、それでも大雪山の原生林、十分に綺麗でした。
1.愛別付近から冠雪の大雪山
2.紅くなりはじめたヤマモミジ
3.層雲峡温泉前
4.層雲峡温泉前
5.銀河トンネル付近シラカバ
6.屏風岩

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